ラノベ14

「俯瞰的な視点に立って大勢を見下ろした意見を言うのは、意外に簡単なんだよな。諸々のしがらみを無視すりゃいい。友人とか、同僚とか、恋人とか。それぞれの事情を丸ごと無視して極論だけを語ってりゃいい。知っているかい?極論ってのは目新しく見えるが、大抵は実際的な検証が成されていないから、机上の空論そのものだ。机上の空論ってのは分かり易いからな。細かな事情は無視できる。お手軽に理解出来るし、そうすると頭が良くなった気にもなれる。あんたに見えている世界の人間達も、それぞれ、事情を背負って、生きている。力には光と影の面がつきまとう様に、何事も一面的じゃないし、複雑に利害も絡んでくる。一つの極論だけで全て斬って捨ててしまうのは、少々強引じゃないかね?」
神曲奏界ポリフォニカクリムゾンシリーズ エイディング・クリムゾン
(GA文庫 著:榊一郎)ミノティアスの言葉